天カセ・天吊りの違いを比較!業務用エアコンの選び方と導入時のポイントを解説

天カセ・天吊りの違いを比較!業務用エアコンの選び方と導入時のポイントを解説

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業務用エアコンを天井に設置する場合は「天井カセット形(天カセ)」と「天井吊形(天吊り)」のどちらを選ぶべきかで悩みがちです。両者には構造的な違いや設置条件の差があり、見た目や費用にも影響します。本記事では、天カセと天吊りの特徴、設置前に確認すべきポイントや費用感、工事の流れを詳しく解説します。

天井カセット形と天井吊形とは?

業務用エアコンの代表的な天井設置方式には、天井に埋め込む「天井カセット形(天カセ)」と、天井から吊り下げる「天井吊形(天吊り)」があります。それぞれに特徴や設置条件が異なり、選定を誤ると快適性やコストに影響するため、基本的な違いを理解しておきましょう。

天井カセット形(天カセ)エアコンとは

天井カセット形は、天井に埋め込むタイプの業務用エアコンです。室内機が天井と一体化するため、デザイン性に優れ、空間を広く活用できます。オフィスや美容室、クリニックなど、美観を重視する施設で多く導入されています。代表的な種類は以下の通りです。

タイプ特徴適した空間
4方向吹出タイプ・室内機の4隅から風を吹き出す・冷暖房のムラが少なく、広く普及している・正方形に近いオフィス・一般的な店舗・会議室など
ラウンドフロータイプ・室内機の外周全体(360度)から風を吹き出す・部屋の隅々までムラなく風を届けられる・広くて障害物が少ない空間・デザイン性を重視する店舗など
2方向吹出タイプ・向かい合った2つの吹き出し口から風を送る・細長い空間や通路ほど効率よく風を届けられる・細長いオフィス・通路・窓際のカウンター席など
1方向吹出タイプ・室内機の片側一辺からのみ風を吹き出す・細長い形状で天井の梁や照明器具を避けて設置できる・廊下・エントランス・壁際の狭い空間など

天井カセット形エアコンは、吹出口の数によって適した設置場所が異なるので検討が必要です。4方向・ラウンドフロータイプは部屋の中心に設置することで効率性が高まります。一方、1方向・2方向タイプは細長い空間やレイアウトに制約がある場所向きのエアコンです。空調効率を高めるためにも、空間に合わせた機種を選びましょう。

天井吊形(天吊り)エアコンとは

天井吊形は、天井に露出して吊り下げるタイプの業務用エアコンです。天井裏にスペースを必要としないため、工場や倉庫、飲食店などに適しています。主な特徴は以下の通りです。

・大風量で広い空間や天井の高い場所でも効率よく空調できる
・本体が露出するため施工の自由度が高く、フィルター清掃や点検も容易に行える
・吹出口は1方向または2方向が中心で、局所的な空調に向いている

天井吊形は、機器の性能と設置のしやすさを両立しており、特に建物の構造に制約がある場合に有効な選択肢となります。

天カセと天吊りの違いを徹底比較

天井カセット形と天井吊形には、設置方法や吹き出し方向、デザイン性、工事の難易度など多くの違いがあります。ここでは、それぞれの特徴を比較し、導入に向けて押さえておきたいポイントを解説します。内容をまとめると以下の通りです。

項目天井カセット形(天カセ)天井吊形(天吊り)
設置条件天井裏スペースが必要(露出設置の場合は不要)天井裏スペースが不要
吹出方向多方向(1〜4方向・360度)1〜2方向が中心
デザイン性天井と一体化、スマートな印象本体が露出し、存在感がある
工事難易度比較的高め比較的簡単
メンテナンス性日常清掃は可能、専門メンテは天井裏での作業が必要室内機が露出しているため容易

設置方法と対応する天井構造の違い

天井カセット形は、天井裏に室内機を埋め込む方式です。そのため、設置には天井裏の十分なスペースが必要となりますが、天井の構造上埋め込みが難しい場合は、あえて露出させて設置するケースもあります。

一方、天井吊形は天井から本体を吊り下げる吊り下げ式です。天井裏がない建物でも設置できるため、改装済みの古い建物や天井の低い施設にも柔軟に対応できます。

吹き出し方向・冷暖房効率の違い

吹き出し方向や風の拡散範囲によって、冷暖房効率に違いが生まれます。天井カセット形は、複数方向に風を送れるため、部屋全体を均一に空調するタイプです。また、静音性に優れており、オフィスや店舗の快適性を保ちやすい特徴があります。

天井吊形は、主に1方向または2方向の送風が中心です。大風量で、特定のエリアに集中的に冷暖房を効かせるスポット空調を得意としています。

見た目・デザイン性の違い

天井カセット形は、室内機が天井と一体化するため、空間全体にすっきりとした印象を与えます。美容室やクリニックをはじめ、美観を重視するオフィスや店舗などで好まれる方式です。

一方、天井吊形は本体が室内に露出するため、設置後の存在感が大きくなります。デザイン性よりも、機能性や設置のしやすさが優先される工場や倉庫におすすめのタイプです。

工事費用・設置のしやすさの違い

天井カセット形は、天井開口や天井裏の工事が必要になるため、施工の手間が増し、工事費用が高くなる傾向があります。天井吊形は、既存の天井に吊るすだけで済むため、施工は比較的簡単です。工期が短くなる分だけ工事費用を安く抑えやすいといえます。

ただし、建物の構造や利用状況によって費用は変わるため、事前調査と見積もりで条件を確認することが重要です。

メンテナンス性・掃除のしやすさの違い

天井カセット形は、フィルター清掃など日常的なメンテナンスは脚立を使って行えます。しかし、専門的なメンテナンスは天井裏での作業となるため、点検口の確保が必要です。天井吊形は、室内機が露出しているため、フィルター清掃はもちろん点検も容易です。設置時には、使い勝手や見た目だけでなく、メンテナンスの手間も考慮しましょう。

業務用エアコンを設置する前に確認するべきポイント

業務用エアコンは設置して終わりではなく、長期的に快適な環境を維持するための準備が欠かせません。そこで、導入前に押さえておきたい建物の構造や空間の条件、将来のメンテナンス性について解説します。

建物の天井構造・高さの確認

天井カセット形を設置する場合は、天井裏の高さや梁、既存の配管との干渉がないかを事前に確認する必要があります。また、天井吊形を設置する場合でも、本体を吊り下げるための十分な強度を持つ下地が必要です。さらに、天井高が低過ぎると風が人に直接当たり、高過ぎると送風効率が悪化するため、空間の高さも考慮して機種を選びましょう。

空間の広さと必要な馬力(能力)

快適性と省エネの両立には、空間の広さに応じた適切な冷暖房能力(馬力)の選定が不可欠です。一般的に「10坪で3馬力」が目安とされていますが、店舗や工場など、利用用途によって必要な能力は変わってきます。

特に天井が高い空間では冷暖房効率が低下しやすいため、馬力を多めに見積もっておきたいところです。また、広い空間では、大馬力のエアコン1台ではなく、複数台を分散配置することで、空調のバランスを保ちやすくなります。

将来的なメンテナンスや増設も考慮する

エアコンは定期的な清掃や点検が欠かせないため、将来的なメンテナンスを考慮した設置計画が重要です。フィルターや内部部品の清掃がしやすいか、点検口の確保があるかなども設置段階で確認しておきましょう。

また、将来的に内装の変更が生じる可能性を考慮し、移設や撤去が容易な設置方式を選んでおくと、余計なコストや手間を抑えられます。さらに、業務用エアコンが故障した場合でも空調を維持できるように、複数系統での設置を検討することも有効な対策です。

業務用エアコンの費用と工事期間の目安

業務用エアコンの導入を検討する際には、本体の価格だけでなく工事費や工期も重要な判断材料です。ここでは、天カセと天吊りの価格帯の違いや、工事の流れ・注意点を解説します。

天カセと天吊りの価格帯比較

業務用エアコンの導入にかかる費用は、機器本体の価格と工事費を合わせた総額で検討して下さい。一般的に、天井カセット形は天井裏への埋め込み工事が必要なため、工事費が高くなる傾向にあります。

ダイキンの公開情報(2023年4月〜2024年3月の成約価格集計)によると、一般事務所でよく使われる70㎡以下の「5馬力以下」の機種は、機器代と工事代を含めて50万円〜70万円が目安です。80㎡以上の広い空間で採用される「6馬力以上」になると、価格は100万円以上になることもあります。

なお、具体的な金額はエアコンパラダイスにお問い合わせ下さい。

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工事の流れと日数の目安

業務用エアコンの設置工事は、事前の現地調査から本設置、動作確認までを含め、一般的には1〜2日が目安です。1日目は、現地調査で設置場所や配線状況を確認します。2日目は、機器の搬入から設置、試運転までの本工事という流れが標準的です。

ただし、天井の補修や内装工事が伴う場合には、さらに日数がかかる可能性があります。スケジュールが変わって業務に支障を及ぼすリスクを踏まえ、事前に施工業者と工程を確認しておきましょう。

工事で注意すべきポイント(電源・配管など)

業務用エアコンの設置には、電源容量・配管経路・排水処理など複数の技術的条件をクリアしなければなりません。電源は「単相200V」または「三相200V」があり、一般的に業務用では「三相200V」が採用されます。

また、冷媒の流れに影響する配管の長さや曲がり、勾配の確保が必要なドレン排水処理など、専門的な知識と技術が求められるため、信頼できる業者に依頼することが重要です。

業者選びと見積もりのポイント

業務用エアコンの導入にあたっては、施工業者の技術力や対応力の見極めが欠かせません。価格だけで判断せず、実績やアフターサービスも含めて総合的に比較検討しましょう。ここでは、信頼できる施工業者の見極め方、見積もりで確認すべきチェックポイントを解説します。

信頼できる業者の選び方

施工業者の選定は導入後の満足度に直結するため、単に価格だけでなく、対応力や実績を総合的に判断しましょう。具体的には、施工実績が豊富でレビューや施工写真を公開している業者を選ぶと安心です。

また、建物の用途に合った提案ができるか、担当者が直接現地調査に来てくれるかも確認して下さい。同業種での施工実績がある場合は、より高い信頼感につながります。

無料見積もりで確認すべきチェック項目

見積もりは「安さ」だけでなく、内容の透明性も確認が必須です。機器代・工事費・諸経費が全て含まれた総額表示になっているか、工事範囲の内訳が細かく記載されているかを確認しましょう。

また、不明点や追加費用が発生する可能性について説明が明示されているかも大切なチェックポイントです。細部に至るまで把握しておくことで、後から思わぬ追加費用が発生するリスクを減らせます。

アフターサービス・保証内容の確認も忘れずに

業務用エアコンの導入後は、運用する中で定期的なメンテナンスや修理対応が欠かせません。無償保証期間は通常は1〜2年が目安で、延長オプションの期間はサービス事業者によって異なるので、具体的な内容を確認しましょう。

また、故障時に迅速に対応してもらえる体制や休日対応の有無などの確認も重要です。定期点検やフィルター清掃といった有償の保守サービスまで事前に把握しておくことで、長期的に安心して運用できます。

迷ったらプロに相談して無料見積もりを!

天カセと天吊りにはそれぞれ強みと弱みがあり、施設の条件や利用目的によって最適な選択肢は異なります。迷った場合は、専門業者に相談して現地調査を受けるのが確実です。

販売から設置、その後のメンテナンスまでを一貫して自社で行うエアコンパラダイスなら、スピーディーな対応と、大手メーカー保証を超えた充実の自社保証を提供できます。また、現金購入に加え、節税効果や盗難補償も付くリースもご提案可能です。お客様の状況に合わせた最適なプランをご提案しますので、ぜひお気軽にご相談下さい。

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