目次
業務用エアコンのフィルター掃除は「エアコンの効きが悪い」「電気代が高い」「嫌なニオイがする」といった問題の解決につながります。特にオフィスや店舗などの業務空間では、エアコンの効率低下が業績に悪影響を及ぼしかねません。
この記事では、自分でできるフィルター掃除の方法から、専門業者に依頼するメリットや費用まで詳しく解説します。適切なメンテナンスで、快適な職場環境とコスト削減を同時に実現しましょう。
業務用エアコンのフィルター掃除は、ただのホコリ取り作業ではありません。ここでは、フィルター掃除が重要な理由を解説します。
業務用エアコンのフィルターは、空気中のホコリや花粉、カビの侵入を防ぎ、機器内部を清潔に保つ重要な部品です。空気が通過する過程で粉じんなどを除去し、エアコンの心臓部である熱交換器にきれいな空気を届ける仕組みを担っています。
フィルターが清潔な状態で空気の流れがスムーズになれば、熱交換器や送風ファンを守るだけでなく、少ない電力で冷暖房効果を高めることが可能です。逆にフィルターが詰まると運転効率が低下し、冷暖房効果の低下や電気代の増加、故障の原因になります。
業務用エアコンのフィルター掃除を放置すると、健康面・経済面・業務運営などに悪影響を及ぼします。具体的には以下の通りです。
リスク区分 | 内容 |
健康リスク | カビ・粉じんが拡散し、異臭やアレルギーの原因になる |
経済リスク | 風量低下で消費電力が増加し、電気代が上がりやすくなる |
業務への影響 | 飲食店では臭気・空気質の低下が客足に影響しやすい。オフィスでは不快感や生産性低下につながる |
機器への負担 | 目詰まりは水漏れ・故障の原因になりやすく、高額修理に発展するケースもある |
フィルター掃除を怠った結果さまざまな問題が生じやすくなるため、掃除の手順を確認し、定期的に掃除を行う仕組みをつくりましょう。
業務用エアコンのフィルター掃除は、ダイキン製などメーカーを問わず正しい手順を守れば簡単に行えます。ここでは、具体的な手順や必要な道具、掃除スケジュールの目安を解説します。
フィルター掃除を開始する前に、感電やケガを防止するためにもエアコンの運転を停止し、ブレーカーを遮断しておきましょう。外したフィルターは、位置や向きを覚えておくと戻す際にスムーズです。タイプ別の外し方は以下の通りです。
本体の四隅にあるプッシュボタンやツメを外し、化粧パネルを開けます。フィルターはレールに沿ってスライドさせる方式が一般的です。無理に引っ張ると破損につながるため、レールの動きを感じながらゆっくりと操作しましょう。フィルターはサイズが大きいため、両手で支えて慎重に取り外して下さい。
天井吊り型は底面や側面の大きなパネルを開け、フィルターを取り出すのが特徴です。パネルを固定しているツメやネジを外してカバーを開け、フィルターを取り出して下さい。枠やフィルターを破損させないように、両手で支えながら丁寧に外しましょう。
壁掛け型は本体の前面に大きなカバーがあり、上部や側面のツメを外すと開く仕組みです。内部のフィルターは横方向に差し込まれている場合が多く、片側から順番にゆっくり引き抜きます。天井カセット型や天井吊り型と同様に、両手で支えながら丁寧に取り外しましょう。
フィルターの汚れ具合を軽度・中度・重度で判別し、適切な洗浄の仕方で行いましょう。
汚れの度合 | 状態の目安 | 洗浄方法 |
軽度の汚れ(ホコリ) | フィルター表面にうっすらとホコリが溜まっている | 掃除機のブラシノズルで表面をやさしく吸引 |
中度の汚れ(粉じん) | ホコリが固まって付着している | 裏側から水道水のシャワーで洗浄 |
重度の汚れ(油・カビ) | 油汚れや黒いカビがこびりついている | 薄めた中性洗剤に浸け置きし、柔らかいブラシで丁寧に洗浄 |
掃除機を使う場合はフィルターを押し付け過ぎず、水道水で洗浄する際は水圧を高めないように注意して下さい。洗剤を使用して洗った場合は、流水で十分にすすぎましょう。また、40℃以上のお湯はフィルターを変形させる恐れがあるため使用は控えましょう。
洗浄後のフィルターは、水切りを行った上で風通しの良い場所で陰干しして下さい。半乾きのまま戻すと内部に湿気がこもり、カビや雑菌が繁殖する原因になります。目安として半日以上の乾燥時間が望ましく、完全に乾かすことが重要です。ドライヤーや暖房器具による急速乾燥は、フィルターが変形する恐れがあるため避けましょう。
フィルター掃除を行う際には、事前に必要な道具を揃えておきましょう。基本的に以下の道具があれば作業がスムーズに進みます。
・掃除機(ブラシノズル付き)
・バケツ・ホース・シャワー設備
・中性洗剤・柔らかいブラシ
・ゴム手袋・マスク
・脚立
必要に応じて使い捨てのウエスやタオルなどを準備しておくと、作業がさらに円滑になります。特に水洗いをする際は、カビが発生しないようにタオルなどで水滴を拭き取る作業が欠かせません。
フィルター掃除の頻度は、エアコンの使用環境によって異なります。メーカー推奨では2週間~1ヶ月ごとが目安とされていますが、油煙や粉じんが多い飲食店では2週間ごとに行いましょう。比較的清潔なオフィスや美容室、クリニックでは、1ヶ月~2ヶ月に1回程度の掃除がおすすめです。
繁忙期となるタイミングでは、フィルターの汚れが機器の負担となりやすいため、掃除の頻度を通常よりも増やす必要があります。汚れの蓄積速度が異なるため、定期的な掃除を習慣化して効率低下や故障を防ぎましょう。
業務用エアコンのフィルター掃除を自分で行う際は、正しい方法を守らないと破損やカビの発生、衛生トラブルにつながります。そこで、安全かつ効果的に掃除をするための注意点を解説します。
力任せの掃除や不適切な器具の使用は、フィルターを破損させる原因です。例えば、硬過ぎるブラシや高圧洗浄機を使うと、フィルターの繊細な繊維が破れてしまう可能性があります。また、フィルターの枠や固定部分を損傷する恐れがあるので、無理に外さないように気をつけましょう。
フィルターが変形したり破損したりすると、交換コストがかかるだけでなく、フィルター本来の機能を果たせなくなります。冷暖房効率の低下にもつながるため、取り扱いは注意しましょう。
洗剤や掃除方法を誤ると、フィルターの劣化や空気環境の悪化を招くため注意が必要です。強アルカリ性や酸性洗剤はフィルター素材を傷めるため、使用は避けましょう。フィルターの洗浄には、薄めた中性洗剤を使用するのが基本です。
また、洗剤がフィルターに残留すると、乾燥後に有害物質が空気中に拡散したり、臭いの原因となったりする可能性があるため、すすぎは念入りに行って下さい。掃除機でホコリを吸い取る際も、フィルターを押しつぶしたり、力をかけ過ぎたりしないよう注意しましょう。
フィルターを濡れたままエアコン本体に戻すと、内部に湿気がこもり、カビや雑菌の温床になってしまいます。カビの繁殖は、衛生面や空調性能に悪影響を及ぼす原因となるので特に注意が必要です。
乾燥は直射日光を避け、風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。完全に乾かすには、最低でも半日以上は乾燥させる必要があります。十分な乾燥時間を確保するのが難しい場合は、フィルター掃除を含めたメンテナンスを専門業者に依頼するのが無難です。
業務用エアコンのフィルター汚れは自分で掃除できるとしても、内部にまで広がった頑固な汚れや不具合が見つかった場合、どこまで自分でやるべきか判断に悩むでしょう。そこで、フィルター掃除を自分でやるか、プロに依頼するかの判断基準を紹介します。
フィルター表面にホコリがうっすら溜まっている程度の汚れであれば、掃除機で吸い取るだけできれいになります。使用開始からまだ日が浅く、異臭や効きの悪さを感じていない場合も、内部まで汚れていない可能性が高いため、自分で掃除しやすい状態です。
また、2週間〜1ヶ月に1回の定期清掃を習慣化できる体制があったり、複数台あってもフィルター清掃のみで済むような状態だったりするなら、業者に依頼する必要はありません。
高所作業になるものの、安全性を保てるなら自分で掃除した方がコストを抑えられます。
自分で対応できない汚れや不具合、運転効率の低下を感じる場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。問題を放置していると、高額な修理や買い替えにつながることもあります。
例えば、フィルター清掃をしても「効きが悪い」「臭いが取れない」といった症状が残る場合、内部の熱交換器や送風ファンにまで汚れが及んでいるサインです。分解清掃が必要であれば、専門知識と専用工具がなければ対応できません。
さらに、法律で定期的な点検が義務付けられている場合もあります。例えば「フロン排出抑制法」では、業務用エアコンの管理者に対し、フロンガスの漏れがないか確認するための定期点検を義務付けています。専門業者に依頼すれば、こうした法律への対応も問題ありません。
業務用エアコンの掃除は、専門業者に依頼すると内部まで徹底的に洗浄できる他、省エネ効果や快適性の向上、故障予防などのメリットが得られます。以下で詳しく解説します。
専門業者の清掃では、ダイキン製をはじめとした各メーカーの機種に精通し、業務用に特化した高圧洗浄機や強力な洗剤を使用します。家庭用の掃除道具では届かないエアコン内部の細かな隙間も、プロの掃除なら問題ありません。熱交換器のフィンや送風ファンの羽根にこびりついた油汚れやカビ、目に見えない菌までを徹底的に洗い流します。
掃除の際は、洗剤や汚水が飛び散らないように、エアコン周辺を養生シートで丁寧に保護するので安心です。エアコン内部の衛生状態を根本から改善できるのは、プロならではの仕事といえます。
フィルターや内部の汚れを取り除くと、エアコンの効きが格段に良くなり、電気代を節約できます。エアコンが汚れていると、空気を吸い込む力が弱まり、設定温度に到達するために余分な電力を使ってしまうためです。
ホコリがなくなって空気の流れがスムーズになれば、設定温度に早く到達できるようになり、無駄な電力を使わずに済むようになります。電気代が数%〜20%ほど安くなることが期待できるので、専門業者に依頼するメリットは大きいでしょう。
プロによるフィルター掃除では、専門的な方法で内部に溜まったカビや雑菌を除去し、清潔な空気環境を実現します。また、油汚れが原因となる不快な臭いも根本から解消できる点もメリットです。
特に空気質が顧客満足に直結する飲食店や美容室、クリニックなどで大きな効果を得られます。臭いの原因菌や付着物を完全に洗い流すことができれば、お客様や従業員に快適な印象を与えられます。
定期的な掃除を業者に依頼しておくと、部品の劣化や不具合の兆候を早期に発見でき、大きなトラブルを未然に防止できます。専門業者は、専用の診断ツールを使って運転時の電流値や圧力、振動などを細かくチェックするため、素人では気付きにくいような小さな異変も察知することが可能です。
例えば、送風ファンの軸のわずかなブレや、熱交換器の冷却効率の微妙な低下といった初期段階の問題を特定し、大きな故障につながる前に対応できます。
専門業者に依頼した場合、フィルター清掃といった日常的なお手入れを超え、機器全体の包括的なメンテナンスが期待できます。ここでは、専門業者の掃除範囲と具体的な作業内容を解説します。
業者によるフィルター清掃は、家庭で行う作業と似ていると思うかもしれません。しかし、専用の清掃器具を使用するため、フィルターの目に詰まった微細なホコリや汚れも、手作業に比べて効率的かつ短時間できれいに仕上がります。
大規模な施設や複数台のエアコンを管理している場合、フィルター交換・清掃は数十枚にもなりますが、まとめて依頼すると単価が下がる場合もあります。
エアコン本体内部の洗浄は素人では不可能な作業です。業者はエアコン本体のカバーや送風ファン、熱交換器を分解します。そして、専用の強力な洗剤や高圧洗浄機を用いて、手の届きにくい位置にこびりついた頑固な油汚れやカビを隅々まで除去することが可能です。
徹底的な洗浄により、熱交換効率が回復し、省エネ効果が向上する他、空調効率の悪化や不快な臭いの根本原因を解消し、空気の質を改善する高い効果を期待できます。
掃除と併せて実施する点検・診断は、エアコンの「健康診断」としての役割があります。専用機器を用いて運転時の電流や温度、圧力などを測定し、機器の稼働状況を詳細に確認する作業です。
点検や診断により、故障につながる部品の劣化や不具合の兆候を早期に発見できるため、突発的な故障を未然に防止できます。修理が必要な場合は、事前に見積もりも受け取った上で検討しましょう。
フィルター清掃のみを依頼する場合は、1台当たり数千円〜1万円程度が目安です。一方、エアコンの効きが悪い、異臭がするなどの根本的な問題があるなら、内部の汚れを除去する分解洗浄が必要となります。この場合は、1台当たり2万円〜3万円程度が相場です。
コストを抑えるためには、複数台のエアコンをまとめて依頼すると安くなるサービスを利用するのも方法のひとつです。また、定期メンテナンス契約があるサービスを利用すると、エアコンの故障リスクを低減できます。
サービスによって料金は異なるので、正確な料金を知るためには、業者から複数の見積もりを取得し、作業内容と費用をしっかりと比較検討しましょう。
業務用エアコンの掃除業者を選ぶ際は、いくつかのポイントをチェックしてから決めましょう。ここでは、特に重要度の高い選定ポイントを紹介します。
業者が過去にどのような場所で清掃を行ったか、店舗・オフィス・医療機関などの施工事例を公開しているかを確認することで、作業品質や得意分野の把握が可能です。また、利用者からの口コミや評判のチェックにより、実際の対応力やサービスの信頼性を判断しやすくなります。長年の運営実績や専門資格を持っている業者ほど、信頼度は高い傾向です。
自社の拠点から近い業者を選ぶようにすると、急なトラブルが発生した場合でもスムーズに対応してもらえる可能性が高まります。作業後の保証やアフターサービスの有無も、安心して依頼するために確認しておくと良いでしょう。定期メンテナンス契約によって、定期点検が自動的に実施される業者は、日々の管理負担を軽減してくれるため安心感があります。
定期メンテナンス契約は、長期的に見るとコスト削減にもつながります。契約内容は、年2回から4回程度の定期清掃という内容が一般的です。
フィルター清掃に加えて分解洗浄もパッケージで行うケースが多く、電気代削減や故障リスクの低下など、長期的なランニングコストの削減効果を期待できます。専任の担当者がつくと、エアコンの不具合に早く気付き、大きな問題になる前に対応しやすいでしょう。
日々のフィルター清掃は自分で、手の届かない内部の汚れはプロに任せるという考え方が、業務用エアコンの性能維持とコスト削減、そして快適な環境づくりの近道です。
エアコンパラダイスは、販売から設置、メンテナンスまでを自社で一貫して行うことで、スピーディーな対応を実現します。お支払いには現金購入とリース契約をご用意しています。通常1年のメーカー保証に加え、ご要望に応じた自社保証による延長も可能です。まずはお気軽にご相談下さい。
タグ:
人気の記事