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オフィスや店舗の空間を快適に保つ上で、業務用エアコンは欠かせません。業務用エアコンの効きが悪くなるとスタッフの生産性ダウンや光熱費の上昇、顧客満足度の低下につながります。この記事では、業務用エアコンの効きが悪くなる主な原因と対処法について解説するので、ぜひ参考にして下さい。
業務用エアコンの空調効率が下がる主な原因として次のようなものがあります。
・フィルターの詰まりや清掃不足
・室外機まわりの環境
・冷媒ガスの不足や漏れ
・室内機の設置環境や断熱不良による効率低下
・リモコンや設定温度など基本的な設定ミス
・経年劣化や部品の故障
それぞれの原因について、以下で解説します。
フィルターを掃除していないとホコリや汚れが溜まって目詰まりすることがあります。その状態で使用を続けると室内機の吸込口が制限されるため、エアコンが本来の能力を発揮できず、空調能力が下がってしまうのです。定期的にフィルター掃除を行う必要があります。
室外機まわりの環境が良くないと業務用エアコンの空調能力が下がる場合があります。具体的には次のような状態です。
・室外機に直射日光が当たっている
・室外機の排気を妨げるものが周りにある
・室外機まわりの風通しが悪い
業務用エアコンは室内機と室外機をつなぐ配管に充填された冷媒ガスの働きで室温を調整するしくみです。そのため、冷媒ガスが不足したり漏れたりしていると空調能力が下がります。
冷媒ガス不足やガス漏れの場合は、エアコン専門の業者に修理を依頼する必要があります。
空調する部屋が広過ぎると業務用エアコンの能力が足りず、十分な室温調整ができない場合があります。また、広さとエアコンの能力が合っているとしても、日当たりが強い場合や収容人数が多い場合、熱を発する電子機器が多数ある場合などは空調効率が下がる場合があるため、設置環境を見直してみましょう。
リモコン設定が適切になっていない場合、空調効率が下がる場合があります。よくある設定ミスは次の通りです。
・リモコンの風量設定が弱になっている
・リモコンの設定温度が適切でない
・運転モード(冷房・暖房・除湿など)が合っていない
・風向きの設定が適切でない
適切な設定については後述します。
業務用エアコンの耐用年数は約10年と言われており、10年以上使用している場合は、経年劣化や部品の故障が起こりやすくなります。また、10年未満の使用であっても使用環境や使い方によって劣化や故障が発生する場合もあります。
業務用エアコンの冷暖房効率を最大限にする主な方法は次の通りです。
・定期的なフィルター清掃と内部クリーニング
・室外機周辺の環境改善
・適切な温度設定と省エネ運転の工夫
・サーキュレーターの併用で空気循環を促す
・設置環境に適切な馬力の機種を選ぶ
・専門業者による定期点検・メンテナンスを受ける
それぞれについて以下で解説します。
フィルターが汚れたり目詰まりしていたりすると空調効率が下がるため、2週間に1度程度、定期的にフィルター清掃を行いましょう。
また、年に1~2回程度はエアコン本体の内部クリーニングが必要です。業務用エアコンは精密機械であり複雑な構造をしているため、内部クリーニングは専門業者に依頼して下さい。
室外機に直射日光が当たっていたり、風通しを妨げるものが室外機周辺に置かれていたりしないかを確認します。必要に応じて室外機に日よけを設置したり、室外機周辺の風通しをよくしたりといった環境改善を行って下さい。
環境省が推奨する室内温度は夏季28℃度、冬季20℃です。実際の室内温度を確認し、リモコンの温度や風量・運転モードなどの設定を見直しましょう。設定温度の目安は夏の冷房・除湿運転の時は26〜28℃、冬の暖房運転時は20〜22°Cです。
また、暑い時に暖房モードになっていたり寒い時に冷房・除湿モードになっていたりしないか確認し、適切な運転モードを選びましょう。風向き・風量設定は自動に設定するのがおすすめです。
冷たい空気は下に、暖かい空気は上に集まる性質があります。業務用エアコンにサーキュレーターを併用して空気循環を促すことで冷暖房効率を高めることが可能です。冷房時はエアコンを背にしてサーキュレーターを設置しましょう。暖房時はエアコンの風向きを下に向け、サーキュレーターの風向きを上に向けます。
業務用エアコンの空調能力は馬力という単位で表します。設置環境に適切な馬力は面積や用途によって異なりますが、以下が目安です。
馬力と用途別面積
馬力・容量\用途 | オフィス病院学校など | 一般店舗など | 飲食店銭湯など | 美容院カフェなど |
1.5馬力(P40形) | 17~38㎡ | 22~25㎡ | 11~21㎡ | 14~17㎡ |
1.8馬力(P45形) | 20~43㎡ | 25~28㎡ | 12~24㎡ | 16~20㎡ |
2馬力(P50形) | 22~48㎡ | 28~31㎡ | 14~26㎡ | 17~22㎡ |
2.3馬力(P56形) | 24~53㎡ | 31~35㎡ | 15~29㎡ | 19~24㎡ |
2.5馬力(P63形) | 27~60㎡ | 35~39㎡ | 17~33㎡ | 22~27㎡ |
3馬力(P80形) | 35~76㎡ | 44~50㎡ | 22~42㎡ | 28~35㎡ |
4馬力(P112形) | 49~107㎡ | 62~70㎡ | 30~59㎡ | 39~49㎡ |
5馬力(P140形) | 61~133㎡ | 78~88㎡ | 38~74㎡ | 48~61㎡ |
6馬力(P160形) | 70~152㎡ | 89~100㎡ | 43~84㎡ | 55~70㎡ |
※算出基準負荷冷房時160 – 180W/㎡。
業務用エアコンの内部クリーニングや部品の点検などは専門の業者でないと対応が困難です。プロに定期点検やメンテナンスをまかせることで空調効率の維持やエアコンの長寿命化につながります。
・使用年数が10年以上経過している
・修理費用が高額になり買い替えた方が経済的
・冷暖房の効率が著しく低下し業務に支障が出る
・メーカー部品の供給が終了している
それぞれについて以下で解説します。
業務用エアコンの耐用年数は種類により6~15年と言われています。耐用年数とは、業務用エアコンを快適に使える年数の基準や減価償却する年数です。また、業務用エアコンの実際の寿命は10~15年程度とされています。10年以上使用している業務用エアコンは買い替えを検討しましょう。
業務用エアコンは各部品にもそれぞれの寿命があり、長く使うほど部品交換や修理の頻度が上がります。部品の寿命の目安はフィルターが5年、モーターが8年、コンデンサが10年、リレーが10年、防振ゴムが10年です。修理費用や頻度と買い替え費用を比較し、経済的な対応を選ぶと良いでしょう。
業務用エアコンが十分に冷暖房の機能を果たしていることは生産性を維持する上で欠かせません。快適な空間に空調できなければ業務に支障が出るおそれがあるため、修理または買い替えを検討する必要があります。
業務用エアコンは各機種の製造終了から10年以上経過するとメーカーも交換用部品を保有していない場合が多く、修理できなくなるおそれがあります。メーカーが部品供給を終える前に新しい機種に買い換えましょう。
業務用エアコンを長く快適に使うための主なポイントは次の通りです。
・定期的なフィルター清掃
・専門業者による定期点検
・室外機周辺の環境確認
・導入時に適切な馬力・機種選びを行う
それぞれについて以下で解説します。
快適な室内環境を保つためには定期的なフィルター掃除が必要です。掃除の頻度は2ヶ月に1度が目安ですが、人の出入りの多い場所や飲食店など油汚れの多い場所はフィルターが汚れやすいため、1ヶ月に1度はフィルター掃除をすると良いでしょう。
圧縮機電動機定格出力が7.5KW以上の業務用エアコンは専門家による定期点検が法律で義務付けられています。7.5kW~50kW未満の機種は3年に1回以上、50kW以上は1年に1回以上の法定点検が必要です。トラブル予防と快適性を維持する上では、年に1~2回程度の定期点検が推奨されます。
室外機の周辺に植木鉢やバイク、自転車など排熱を妨げるものが置かれていないか確認し、風通しを良くしましょう。また、室外機に直射日光が当たっている場合は日よけや室外機カバーなどを設置するのがおすすめです。
業務用エアコンは設置場所の面積や用途などによって適切な馬力や機種が異なります。そのため、設置場所に合った馬力の機種を選んで導入することが重要です。
業務用エアコンの効きが悪くなる主な原因には、フィルターの目詰まりや室外機まわりの環境、経年劣化や部品の故障、リモコン設定ミスなどがあります。フィルター掃除や室外機まわりの環境改善、リモコン設定など自社でできる対策もありますが、内部クリーニングや点検、修理などは専門業者に依頼する必要があります。
エアコンパラダイスは主要メーカーの業務用エアコンのリース販売や定期点検・メンテナンスを行っています。業務用エアコンのことで困っている人はぜひ、お気軽にお問い合せ下さい。
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