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引っ越しや買い替えで不要になった家庭用エアコンは、ポイントを押さえれば自分で取り外しが可能です。
専門業者に依頼する費用を節約できるため、外し方の手順を覚えておくと便利です。
この記事では、一般家庭でできるエアコン取り外しの手順について、必要な道具や安全上の注意点とあわせて詳しく解説します。
これから解説する手順を守り、安全に作業を進めてください。
エアコンの取り外しを自分で行う前には、いくつかの重要な点を確認しておく必要があります。
取り外したエアコンを別の家の部屋などで再利用する予定があるのか、それとも処分するのかによって、作業の丁寧さが変わってきます。
特に古いエアコンは、配管の劣化や部品の固着が進んでいる可能性があり、取り外し作業の難易度が高まる傾向にあります。
また、室外機の設置場所や家の壁の構造によっては、専門的な知識や工具がなければ安全な作業が困難な場合もあるため、事前の確認が不可欠です。
一般的な壁掛けタイプの家庭用エアコンであれば、正しい手順と工具を準備すれば自分で取り外すことは可能です。
しかし、天井埋め込み型や業務用の大型エアコンは構造が複雑なため、専門業者に依頼するのが賢明です。
作業の中で最も専門性が高いのは「ポンプダウン」という冷媒ガスを回収する工程で、これを失敗するとエアコンの故障や環境汚染につながります。
特殊な設置ケースを除けば、慎重に手順を踏むことで初心者でも対応できますが、少しでも不安を感じる場合は無理をしないことが重要です。
専門業者にエアコンの取り外しのみを依頼した場合の費用相場は、5,000円から10,000円程度です。
ただし、室外機の設置場所が高所であったり、リサイクル料金や運搬費が別途かかったりする場合もあります。
一方、自分で取り外す場合は、必要な工具を揃える初期費用のみで済みます。
例えば、モンキーレンチやドライバーなどの基本的な工具は、カー用品店やホームセンターで数千円程度で購入可能です。
すでに車のメンテナンスなどで工具を持っている場合は、費用をほとんどかけずに作業できます。
エアコンの取り外し作業をスムーズかつ安全に進めるためには、事前の道具準備が欠かせません。
特殊な工具も一部必要ですが、多くはホームセンターなどで手軽に入手できるものです。
作業の途中で工具が足りずに中断することがないよう、あらかじめリストを確認し、すべて揃っているかチェックしておきましょう。
また、ポンプダウン作業ではエアコンの強制冷房運転を行うため、エアコン本体のリモコンも忘れずに手元に用意してください。
エアコンの取り外しには、以下の基本的な工具が必須です。
室外機のバルブキャップや配管の接続ナットを回すための「モンキーレンチ」が2本、バルブを操作するための「六角レンチ」が必要です。
六角レンチはエアコンの機種によってサイズが異なる場合があるため、セットで用意すると安心です。
また、室内機や室外機のカバー、本体を固定しているネジを外すための「プラスドライバー」と、配線やテープを切断するための「ニッパー」または「カッターナイフ」も準備しましょう。
電源スイッチ周りの作業で必要になることもあります。
基本的な工具に加えて、安全かつ綺麗に作業を終えるために用意しておくと便利な道具があります。
高所に設置された室内機を取り外すための「脚立」、手を保護し滑り止めにもなる「軍手」は安全のために準備しましょう。
また、壁や床を傷つけないための「養生シートやテープ」、取り外した配管の先端を保護する「ビニールテープ」、そして最後に壁の穴を塞ぐための「配管用パテ」も必要です。
取り外した室内機の裏側はホコリが溜まっていることが多いため、掃除機があると後片付けが楽になります。
エアコンの取り外し作業は、大きく6つのステップに分かれます。
特に最初の「ポンプダウン」は、エアコンの心臓部ともいえる冷媒ガスを安全に回収するための非常に重要な工程です。
感電やガス漏れなどの事故を防ぐためにも、必ずこれから解説する手順通りに、一つひとつの作業を焦らず確実に行ってください。
正しい手順を守ることが、安全なDIYの第一歩となります。
まず、エアコンを強制冷房運転させ、室外機のファンが回っていることを確認します。
気温が低い冬場は正常に作動しないことがあるため、室温を上げるなど工夫が必要です。
次に、室外機の側面カバーを外し、配管が接続されているバルブのキャップをモンキーレンチで開けます。
最初に細い方の配管(送液管)のバルブを六角レンチで時計回りに固く締め、2~3分待ちます。
その後、太い方の配管(ガス管)のバルブも同様に固く締め、すぐにエアコンの運転を停止し、電源プラグを抜きます。
これでガスが室外機に回収されます。
ポンプダウン作業が完了し、エアコンの運転を停止したら、必ず電源プラグをコンセントから抜いてください。
この作業を忘れると、後の配線取り外し作業で感電する危険性があり、命に関わる事故につながる恐れがあります。
エアコン専用のコンセントがない場合は、分電盤のブレーカーも落としておくとさらに安全です。
作業中は誰も誤って電源を入れないよう、プラグの根元にテープを巻いて「作業中」と表示しておくなどの対策も有効です。
電源線に触れる前には、必ず電源が遮断されていることを確認しましょう。
電源を遮断したら、室外機に接続されている2本の配管を取り外します。
接続部分のナットは非常に固く締まっているため、モンキーレンチを2本使用し、片方で根元を固定しながらもう片方でナットをゆっくりと反時計回りに回して緩めます。
このとき、配管を無理に曲げたり傷つけたりしないよう注意してください。
配管が外れたら、次に電気配線を取り外します。
端子台のカバーをドライバーで開け、どの色の線がどの端子に接続されていたかスマートフォンなどで撮影してからネジを緩めて線を抜きます。
これで室外機の取り外しは完了です。
次に、室内機側に移り、壁から出ている配管を取り外します。
室外機側と同様に、モンキーレンチを2本使って接続ナットを慎重に緩めてください。
配管と一緒に束ねられているドレンホースを外す際は、内部に残っている水が出てくる可能性があるので、下に雑巾やバケツを置いておくと床が濡れるのを防げます。
配管とドレンホース、電線をまとめている化粧テープもカッターなどで剥がしておきましょう。
取り外したホースや配管の先端は、ゴミが入らないようにビニールテープで塞いでおくと丁寧です。
室内機本体は、壁に固定された「据付板(背板)」と呼ばれる金属の板に引っかかっています。
まず、前面パネルのカバーを開け、内部を確認します。
機種によりますが、本体下部にあるツメやネジでロックされていることが多いので、これを外します。
吹き出し口のルーバー付近やカバーの内側にロック箇所がある場合もあります。
ロックを解除したら、室内機本体を少し持ち上げるようにしながら、手前にゆっくりと引き出すと据付板から外れます。
内機は10kg前後の重さがあるため、落とさないように両手でしっかりと支え、足元に注意しながら降ろしてください。
モーターなど中の部品を傷つけないよう慎重に扱いましょう。
室内機と据付板を壁から取り外したら、配管が通っていた壁の穴を塞ぎます。
この穴を放置すると、雨風や虫が室内に侵入する原因となるため、必ず「配管用パテ」で隙間なく埋めてください。
古いパテが残っている場合は、きれいに取り除いてから新しいパテを粘土のようにこねて柔らかくし、穴に押し込むようにして埋めます。
壁の内外両方から確認し、隙間がないようにしっかりと塞ぎましょう。
穴に配管スリーブ(筒)が通っている場合も、その隙間をパテで埋めます。
窓パネル型のエアコンの場合は、パネルを取り外して元の状態に戻します。
これで全ての作業が完了です。
エアコンの取り外しは手順を誤ると重大な事故や法律違反につながる可能性があります。
特に冷媒ガスの取り扱いや電気系統の作業には専門的な知識と注意が必要です。
これから挙げる3つの重要注意点を必ず守り安全を最優先で作業を進めてください。
少しでも不安や疑問を感じた場合は無理せず専門業者に相談することが賢明です。
エアコンの冷媒として使われているフロンガスは、オゾン層破壊や地球温暖化の原因となるため、大気中に放出することが「フロン排出抑制法」によって固く禁止されています。
ポンプダウン作業を正しく行わずに配管を外してしまうと、ガスが漏れ出してしまい、法律違反となります。
違反した場合は罰則が科される可能性もあるため、手順を確実に守り、冷媒ガスを室外機にしっかりと回収することが極めて重要です。
環境保護の観点からも、責任ある作業が求められます。
電源プラグを抜くのはもちろんのこと、安全を期すために、必ず分電盤のエアコン専用ブレーカーを落としてから作業を開始してください。
コンセントからプラグが抜けていても、何らかの配線ミスや漏電があった場合に感電するリスクをゼロにするためです。
特に近年のコロナ禍以降、在宅時間が増え、家族が誤ってブレーカーを上げてしまう可能性も考えられます。
作業中は分電盤に「作業中」の貼り紙をするなど、第三者への注意喚起も忘れずに行い、感電事故を確実に防ぎましょう。
エアコンの室内機や室外機は重量があり、取り外しの際に落としてしまうと床や壁に大きな傷がつく可能性があります。
また、工具の落下による損傷も考えられます。
作業を始める前には、室内機の周辺の床や壁、家具などをブルーシートや毛布、段ボールで覆い、しっかりと養生してください。
特に賃貸物件の場合は、退去時の原状回復トラブルを避けるためにも養生は不可欠です。
シャープな角を持つ工具や部品の置き場所にも配慮し、作業スペース全体の保護を徹底しましょう。
ここまで自分でエアコンを取り外す方法を解説してきましたが、設置状況やエアコンの状態によっては、DIYが非常に危険な場合があります。
特に高所作業や重量物の取り扱いには転落などのリスクが伴います。
天井埋め込み型のように構造が複雑な場合も同様です。
これから紹介するようなケースに該当する場合は、無理に自分で作業しようとせず、安全を最優先して専門業者への依頼を検討してください。
室外機が地面やベランダではなく、屋根の上や外壁に専用の金具で吊り下げられているなど、特殊な場所に設置されている場合は非常に危険です。
足場が不安定な高所での作業は、転落して大怪我をするリスクが極めて高くなります。
また、重量のある室外機を安全に降ろすには、専門的な知識と技術、そして専用の機材が必要です。
このようなケースでは、迷わず専門業者に依頼してください。
自身の安全を確保することが最も重要です。
製造から10年以上経過している古いエアコンは、長年の使用により各部品が劣化している可能性が高いです。
例えば、ネジやナットが錆びついて固着し、簡単には回せないことがあります。無理に力を加えると、部品が破損してしまう恐れもあります。また、配管(フレア)部分が硬化・劣化していると、取り外し作業の際に亀裂が入り、ポンプダウンが完了していても微量のガスが漏れる危険性があります。パナソニックなどのメーカーを問わず、古い機種は慎重な判断が必要です。
エアコンの室内機や室外機の周りに十分な作業スペースが確保できない場合も、DIYは避けるべきです。
脚立を安定して設置できなかったり、無理な体勢で重い室内機を支えなければならなかったりすると、バランスを崩して転倒したり、機器を落下させたりする危険性が高まります。
東芝製などのコンパクトなモデルであっても、ある程度の重量はあります。
安全に作業を行うためには、両手両足がしっかりと使える安定した体勢が不可欠であり、それが確保できない環境では専門業者に任せるのが賢明です。
ここでは、エアコンの取り外しに関して、ダイキンや富士通といったメーカーに関わらず、多くの人が疑問に思う点についてお答えします。
作業を始める前や、予期せぬ事態に直面した際の参考にしてください。
正しい知識を持つことで、よりスムーズで安全な作業につながります。
取り外した古いエアコンは家電リサイクル法の対象品目のため、粗大ごみとして捨てることはできません。
新しいエアコンの購入店に引き取ってもらうか、自治体に問い合わせて回収を依頼する、または郵便局でリサイクル券を購入し、自分で指定引取場所へ持ち込む必要があります。
冷媒ガスが漏れてしまった場合は、すぐに作業を中止してください。
ガスが抜けたエアコンは再利用に専門業者の修理が必要になるため、速やかに業者へ連絡し、状況を説明して対処を依頼しましょう。
そのまま作業を続けるのは危険であり、法律に抵触する恐れもあります。
作業に慣れていない場合、準備から片付けまで含めて2〜3時間程度が目安です。
専門業者の場合は30分〜1時間程度で完了しますが、設置状況によって時間は変動します。
時間に余裕を持って作業を始めることをおすすめします。
家庭用エアコンの取り外しは、正しい手順を理解し、必要な道具を揃えれば自分で行うことが可能です。
特に重要なのは、冷媒ガスを回収する「ポンプダウン」と、感電を防ぐための電源遮断です。
この記事で解説した手順と注意点を守り、安全を最優先で作業してください。
ただし、設置場所やエアコンの状態によっては危険を伴うため、少しでも難しいと感じた場合は、無理をせず専門業者に依頼することが賢明な判断です。
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